弊社の反射光軌跡シミュレーションでは、建物の外装ガラス面や太陽光発電パネルなどから生じる反射光の照射位置を検討できます。検討により、例えば近隣の建物に反射光が照射されることがわかった時に、この建物に対して反射光を照射する反射面の位置が判ると役に立つ場合があります。
反射光軌跡シミュレーションの検討結果を踏まえ、反射光の照射が確認された位置に対して反射光を照射する反射面位置を推定した事例を紹介します。
太陽光発電施設から周辺建物(2階建て住宅を想定)への反射光照射状況を検討する、という想定の解析例を示します。10月21日、16時20分の反射光照射状況の解析例で、北東に位置する周辺建物に反射光が照射されていることがわかります。この解析結果から、反射光が照射されることはわかりますが、太陽光パネル(反射面)が多数あると、どの太陽光パネルから反射光が照射されたのか判りにくくなります。
図1 太陽光発電施設からの反射光が周辺建物に照射されている状況の解析例
(10月21日、16時20分)
次に、周辺建物に反射光を照射する反射面の位置を推定しました。この検討例では、北東側の隅及び、その西側の太陽光パネルから、周辺建物に対して反射光(ラインで表示)が照射されていることを確認できます。
図2 周辺建物に反射光を照射する太陽光パネル位置の推定例
(10月21日、16時20分)
また、10月21日の10分間隔で、周辺建物に反射光を照射する太陽光パネル位置および反射光の方向(ライン表示)を重ね合わせた図を示します。北側２列の太陽光パネルから、周辺建物に対して反射光が照射されることがわかります。
図3 周辺建物に反射光を照射する太陽光パネル位置の推定例
(10月21日、10分間隔の反射光照射状況解析結果を重ね合わせた)
反射光軌跡シミュレーションで反射光の照射の有無や照射される時期の検討を行い、反射光を生じる反射面の位置を推定することで、対策案の立案が必要な場合に有用な情報を得ることができます。