Thermal load, Energy-conserving Simulation熱負荷・省エネルギーシミュレーション

自然光を利用した
照明消費エネルギー低減の検討

自然光のみによる事務室内の照度分布算出例および、自然光+照明を調光した場合の年間照明消費エネルギー削減の検討例を紹介します。

■自然光のみによる事務室内の照度分布算出例
事務室において、Low-E複層ガラスの窓面にブラインドを設置した場合と、窓面室内側の柱間にライトシェルフを設置し、さらにライトシェルフ下部にブラインドを設けた場合の、自然光(天空光のみ)による机上レベルの照度分布を算出しました。


図 照度分布解析例(床上75cm高さの水平面、夏期の日中を想定)

※天空輝度分布:CIE曇天空・直射日光無し、ブラインドスラット角:30度
柱1スパン幅:6.4m、窓面・天井高さ:3.0m、奥行:13.6m

この解析例では、ブラインドのみの場合(左図)、窓面付近の照度は800lx程度ですが、ライトシェルフを設置した場合(右図)は、1000lx以上の照度となり、窓面から離れた室内の奥の方まで自然光が到達しやすい事がわかります。

■自然光利用による年間照明消費エネルギー削減の検討例
上記の事務室において、照度分布の結果をもとに算出した、自然光利用による年間照明消費エネルギー削減の検討例を紹介します。検討パターンは次の通りです。

  1. ケース1:照明の調光制御を行わない場合(自然光は考慮せず、照明のみで必要照度※とする場合)
  2. ケース2:窓面にブラインドを設置し、自然光+照明が必要照度となるように照明を調光制御した場合
  3. ケース3:ライトシェルフを設置し、さらにライトシェルフ下部にブラインドを設けた場合で、自然光+照明が必要照度となるように照明を調光制御した場合

※ここでは400lxとした

ケース1の照明消費エネルギーを100%とした場合の、年間照明消費エネルギーは次のようになりました。


※就業時間を平日(月~金)、9:00~18:00とした場合の年間照明消費エネルギーを算出した。

ケース1(照明のみ、調光制御無し)と比べて、ケース2(ブラインド、調光制御あり)は17%の削減、ケース3(ライトシェルフ+ブラインド、調光制御有り)は29%削減となりました。

自然光による照明負荷削減の効果を具体的な数値として把握し、省エネルギー手法の検討に役立つ資料作成のお手伝いをいたします。