Archived Materials資料室

ガラス面を方位ごとに
色分けして解析した事例

反射光による「光害」が生じないように、反射光の照射状況を事前に確認することは非常に有用となります。例えば、建築環境総合性能評価システム「CASBEE」では、評価項目「LR-3敷地外環境」の中で、ガラス面を含む建物外壁の反射光による、周辺地域への影響の有無を評価しており、評価の根拠資料として、反射光軌跡シミュレーションを利用できます。


図1 反射光解析モデル例
ここでは、計画建物のガラス面から周辺建物に照射される反射光の照射状況について、どのガラス面から反射光が照射されるかを判りやすくするためにガラス面を方位毎に色分けして検討します。
図1に解析モデルを示します。計画建物は道路の交差点に面し、南側・南西側・西側の外壁面は全面ガラス張りとします。

年間の毎正時における反射光照射状況の中から、9月21日16時の照射状況を図2・図3に示します。西南西の方向に移動した太陽から日射が照射され、ガラス面から反射光が生じています。南側のガラス面は前面道路に、南西側のガラス面は南側の周辺建物に、西面のガラス面は西側の周辺建物に照射されています。

窓面にガラスを使用する一般的な建物で、反射光が生じない建物は無いと考えられます。しかし、全ての反射光が問題となるわけではありません。反射光軌跡シミュレーションを行い、周辺建物や道路・歩行者等への反射光照射状況を詳細に把握することで、問題となる反射光を見極め、その影響の程度等を事前に検討することが可能になります。


図2 建物周辺への太陽光照射状況
(9月21日16時)


図3 周辺建物への反射光照射状況
(9月21日16時)