Low-E複層ガラスvs透明複層ガラス+レースカーテン どちらが快適?

表1 シミュレーションで使用したガラス性能値

ガラス品種 日射透過率
[%]
日射吸収率
[%]
日射反射率
[%]
熱貫流率
[w/m²k]
日射熱
取得率

透明単板ガラス(FL3)

+レースカーテン
49.2 12.1 38.7 5.13 0.56

透明複層ガラス(FL3+A12+FL3)

+レースカーテン
44.0 18.3 37.7 2.69 0.53
Low-E複層ガラス
(LQ3+A12+FL3)
36.9 23.6 39.5 1.65 0.40

レースカーテン性能値 日射透過率:55.0%、日射吸収率:5.0%、日射反射率:40.0%

ガラス板厚は、すべて3ミリ

表2 シミュレーション条件

空調条件
吹出し温度 21.0℃
吹出し風量 660m³/hr
吹出し風速 3.5m/s
壁面熱貫流率
外壁 0.6W/m²K
内壁、床面 1.0W/m²K

ガラス面の熱性能値以外は、すべて同一条件で計算しています。

図1 シミュレーションモデル

図1 シミュレーションモデル

図2は透明単板ガラス+レースカーテン、図3は透明複層ガラス+レースカーテン、図4はLow-E複層ガラス(日射遮蔽型)の条件で計算した表面温度分布と空間中央付近の温度分布図です。
透明単板ガラスと透明複層ガラスでは、ガラス中央付近の表面(レースカーテン表面)温度は36℃~37℃程度になっています。一方Low-E複層ガラス(日射遮蔽型)のガラス表面温度は32.5℃になっており、透明単板、透明複層ガラスにレースカーテンを使用したケースより4℃程度低く、Low-E複層ガラス(日射遮蔽型)の優位性 注1)が結果に表れています。

図2 透明単板+レースカーテン

図2 透明単板+レースカーテン

図3 透明複層+レースカーテン

図3 透明複層+レースカーテン


図4 Low-E複層

図4 Low-E複層ガラス(日射遮蔽型)

注1)本シミュレーションで用いたガラス品種での計算結果であり、日射透過率が高いLow-E複層ガラスでは、明らかな優位性が得られない場合があります。

次に、SET∗を算出した結果です。
ガラス面(レースカーテン面)からの距離1.0m、床面高さ1.0mの位置に、一辺が0.2mの立方体を配置し(図5)、立方体に入射する直達日射を考慮した各面平均のMRT、SET∗を算出しました。SET∗を算出するにあたり、気温、MRT以外の条件は全てのケースで同一条件としました。

MRT、気温以外のSET∗算出条件
代謝量:1.0met
着衣量:0.4clo
風速:0.1m/s 相対湿度:50%RH


図5

SET∗結果

ガラス条件 気温
[℃]
MRT
[℃]
SET∗
[℃]
透明単板ガラス(FL3)+レースカーテン 27.8 39.0 30.3
透明複層ガラス(FL3+A12+FL3)+レースカーテン 27.6 38.4 30.0
Low-E複層ガラス(日射遮蔽型 LQ3+A12+FL3) 26.6 35.5 28.2

本シミュレーションでは、夏期において窓から日射が直接侵入する場合の検討を行っています。窓から1mの位置では、人体は窓越しの日射とガラス表面や床からの放射熱の影響を多く受けるため、夏期の西面ピーク時においては、どのガラス品種を用いても暑めの結果となります。よって、本シミュレーションのSET∗の結果は、開口部から室内へ入射する日射の影響でMRT温度が高くなり、全てのケースでASHRAEの快適温度(22.2℃~25.6℃)より高めの結果となっています。
SET*を比較すると、透明単板ガラスが30.3℃、透明複層ガラスが30.0℃と、Low-E複層ガラス(日射遮蔽型)の28.2℃を2℃程度上回る結果となりました。透明単板ガラス、透明複層ガラスともレースカーテンを使用していますが、MRTが38℃以上と高く、カーテンを使用していないLow-E複層ガラス(日射遮蔽型)の35.5℃より3℃程度高くなっており、気温差以上にSET∗の結果に違いが表れた要因であると推測されます。

以上の結果より、Low-E複層ガラス(日射遮蔽型)は、付属部材としてレースカーテンを使用しなくても、透明単板ガラス+レースカーテン、透明複層ガラス+レースカーテンにくらべ、開口部近傍空間の快適な温熱環境を築くことが可能と推測されます。

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