居室空間におけるSET*算出例

室内環境における快適性評価には様々な指標がありますが、体感温度の指標であるSET*を用いた快適性評価の例を紹介します。ここでは、透明部材であるガラス近傍を含めた室内(夏季の日中)の熱的快適性を検討するため、異なるガラス品種による透過日射量の違いを加味して検討できる快適性指標のSET*値を算出し、比較しました。

計算条件

計算地域 東京
計算季節 夏季
外気温度 34.4℃(標準気象データ 7月17日13時データ使用)
開口部方位 南面
ガラス品種 (1) 単板ガラス:FL4
(2) Low-E複層ガラス(日射遮蔽型):LQ4+A12+FL4
開口部サイズ W7,500mm×H1,900mm
解析空間 W7,500mm×D7,500mm×H2,800mm
空調設定条件 空間平均温度が26℃になる空調吹出し温度に設定

日射分布

下図に示すように、南側開口部から入射した直達日射は、黄色で示す範囲の空間を通過し、床面に到達しています。

黄色で示した直達日射が通過する解析モデルの空間節点で、直達日射量を加味したMRT(平均放射温度)を算出し、SET*の算出に反映させました。

(1)単板ガラス:FL4

(2)Low-E複層ガラス(日射遮蔽型):LQ4+A12+FL4

空調により空間平均温度が26℃になるように設定しているため、いずれの品種とも窓面近傍と廊下側壁面近傍の室温は0.7℃~1.2℃程度の差しかありません。しかし、体感温度であるSET*では、直達日射の通過する領域で周囲より高い分布になっています。

(1)単板ガラス:FL4のケース
窓面近傍の日射が通過する領域で30℃を超える分布となっています。
窓面近傍のポイントと直達日射が到達しない廊下側壁面近傍のポイントを比較すると6.5℃程度の違いが生じています。

(2)Low-E複層ガラス(日射遮蔽型):LQ4+A12+FL4のケース
窓面近傍で直達日射が通過する領域で28℃前後の分布になっています。
窓面近傍のポイントと直達日射が到達しない廊下側壁面近傍のポイントを比較すると3.6℃程度の違いが生じています。

上記の結果から、単板ガラスとLow-E複層ガラスでは室内の体感温度分布に違いがあり、Low-E複層ガラスは、単板ガラスに比べ窓近傍をより熱的に快適にし、室内環境を体感的に均一化してくれるガラスであることがわかります。