オフィスビルにおけるペリメータ部の作用温度分布の算出例

一般的に温熱環境解析の結果は、空間温度で出力することが多いと思われます。しかし、人の温冷感は、空間温度だけではなく、壁面からの放射温度も合わせて決まります。ここでは、冬季夜間の窓近傍の温熱環境シミュレーションをおこない、作用温度で出力した例をご紹介します。

計算条件

計算地域 東京
計算日時 1月12日20時
外気温度 3.1℃
方位 南面
ガラス種類 ① FL6(ブラインドあり)
② Low-E6 + A12 + FL6(ブラインドあり)
※ FL6:透明フロートガラス6ミリ
※ Low-E6:Low-Eの品種はAGC社製LU(LQ相当)グリーン6ミリ
開口部サイズ W2200mm×H2700mm
解析空間 W9000mm×D8300mm×H2700mm
空調設定 吹き出し温度23℃、風量2065.5m3/h

平均放射温度とは

建物内部にいる人は窓、壁、天井、床に囲まれており、それぞれの表面からさまざまな 放射熱の影響を受けています(例えば、窓の近傍であれば窓表面からの放射熱の影響を強く受け、壁の近傍であればその壁表面からの放射熱の影響を強く受けます)。
平均放射温度とは、その人に放射されるさまざまな放射エネルギーから平均的にその人がどのような均一の表面温度からの放射の影響を受けているかを示したものです。当然、平均放射温度は空間内の場所によって異なります。

作用温度とは

体感温度の指標のひとつ。体感温度は空間温度だけでなく、放射温度も加味されています。作用温度は空間温度と平均放射温度の平均値です。

①FL6 + ブラインド

①FL6 + ブラインド

②Low-E6 + A12 + FL6 + ブラインド

②Low-E6 + A12 + FL6 + ブラインド

①FL6+ブラインドの場合、窓近傍では窓面からの冷放射の影響により、また、床面近傍では窓面からの冷気流の影響により、作用温度の低い分布が広がっています。
一方、②Low-E6+A12+FL6+ブラインドの場合、空間温度分布は、床面近傍にガラス面からの冷気流の影響で低い分布がやや見られますが、作用温度ではほとんど見られなくなっています。

以上のように、ガラスの違いによる窓近傍の体感温度は空間温度だけではなく、放射の影響も大きく影響していることがわかります。