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地盤面に高低差がある場合の
風速プロフィルの与え方について

一般的に地表付近の風速は、地面や建物などの摩擦の影響を受けるので、上空よりも小さくなっています。空間の鉛直方向をみると図1に示すような風速分布になっており、この風速分布を風速プロフィルといいます。コンピューターシミュレーションでは、風速プロフィルを解析領域の端部に与えて計算します。 そこで、地盤面に高低差がある場合、この風速プロフィルの与え方によって結果がどの程度変わるか計算してみました。


図1 鉛直方向の風速分布(風速プロフィル)

1.風速プロフィルの与え方

例として図2に示す高低差のある解析領域を計算することを考えます。図3に解析領域の端部への風速プロフィルの与え方を示します。図3-(a)と(b)はそれぞれの正しい与え方を示します。図3-(c)のように低いところを基準とした風速プロフィルを高いところにそのまま与えてしまうと、特に地表面付近で必要以上に大きい風速を与えてしまうことになります。
したがって、敷地端部のそれぞれの地盤面の高さを考慮して正しい風速プロフィルを与えなければなりません。図4に高低差のある敷地の端部への正しい風速プロフィルの与え方(イメージ)を示します。


図2 高低差のある解析領域


図3(a) 正しい風速プロフィルの与え方(低い所)


図3(b) 正しい風速プロフィルの与え方(高い所)


図3(c) 間違った風速プロフィルの与え方(高い所)


図4 高低差のある敷地への正しい風速プロフィルの与え方

2.風速比の比較

実際に以下の2種類の風速プロフィルを与えた場合の計算を比較してみます。図5に北風からの計算結果(風速比)を示します。

<1>各地盤面からの高さを基準にした風速プロフィルを与えた場合(正しい条件)
<2>解析領域下端部からの高さを基準に風速プロフィルを与え場合(間違った条件)


図5(a) 北風の風速比分布図
<1>タイプ(正しい条件)の結果


図5(b) 北風の風速比分布図
<2>タイプ(間違った条件)の結果

明らかに、<1>のタイプ(正しい条件)よりも<2>のタイプ(間違った条件)の結果の方が強風の風速分布が強くなっています。<2>のタイプの結果は、風速比が強く計算されていますので検討としては安全側になりますが、過剰な風速を与えた結果になっています。

3.風環境評価尺度の比較

さらに16方位計算して風環境評価尺度を算出してみました。風環境評価尺度によるランク評価結果においても両者に明らかな違いがでました。
間違った風速プロフィルで計算すると、評価ランクが2であるところが3になるなど、全体的に風環境がより悪く計算される結果となりました(場合によっては2が4にまでなることが考えられます)。


図6(a) 風環境評価尺度ランクの比較
<1>タイプ(正しい条件)のランク結果


図6(b) 風環境評価尺度ランクの比較
<2>タイプ(間違った条件)のランク結果

高低差のある地盤のともなった解析領域を検討する場合、境界部分の地盤面の高さを把握して風速プロフィルを正しく与えることが重要となります。

弊社ではこのような複雑な高低差のある地域でも、正しく計算・評価がなされるよう日々努めています。