2007年7月に日本建築学会から「市街地風環境予測のための流体数値解析ガイドブック」[1]が出版されました。
本ガイドブックには単純形状街区で風速比の検討例(風洞実験・他社CFD結果)があります。
それを参考に弊社が独自に解析した結果と比較しましたので簡単に紹介します。
1.風洞実験の概要
模型形状 | 40m×40m×10mの建物、25m×25m×100mの高層建物、 10m幅の道路2本と20mと30mの道路で街区が構成されている |
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模型の縮尺 | 1/400 |
計測風向 | 3風向(方位0°、22.5°、45°) |
風速の測定位置 | 地上高さ2m相当の高さ |
模型全体
中心高層建物周辺
測定点
2.弊社の解析概要
解析コード | GSMAC3D (AGC(株)先端技術研究所) |
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乱流モデル | 標準k-ε2方程式 |
離散化手法 | 有限要素法 |
解析風向 | 風洞実験と同様3風向(方位0°、22.5°、45°) |
CAD-Model
メッシュ図1
メッシュ図2
メッシュ図3
3.風速比の結果
風向別の各測定ポイントの風速比をそれぞれ図8-1~8-3に示します。
ガイドライン[1]にある結果(風洞実験・他社CFD一例)と弊社の結果は、それぞれ若干異なりますがおおむね同様の傾向でした。
-○-風洞実験 -●-他社CFD -△-当社(AGA)解析結果
図8-1 風向0°における風速比の比較
図8-2 風向22.5°における風速比の比較
図8-3 風向45°における風速比の比較
[1]日本建築学会編 市街地風環境予測のための流体数値解析ガイドブック-ガイドラインと検証用データベース- 第1版第1刷 pp.116-128 2007.7